軽費老人ホームにおける入居要件の壁

軽費老人ホームにおける入居要件の壁

 

入居後の自由度の高さから人気が高く、供給が需要に追いついていない軽費老人ホームですが、実態としては様々な課題を抱えています。

 

単純に施設数を増やすことができない軽費老人ホームの実情を、入居要件の面から検証してみたいと思います。

 

まず、軽費老人ホームの入居要件としてどんなことが挙げられるかと言いますと、ひとつには、入居する高齢者が、介護を必要とせず自分の身の回りのことをひとりでできること、が挙げられます。

 

言葉にすると簡単なことですが、ここにまず、軽費老人ホームの入居要件を考える上で難しい問題のひとつがあります。

 

まず、身の回りのことができるという言葉の意味合いですが、これは例えば食事や入浴、排泄を自分だけでできることを指します。この場合、仮に認知症の高齢者であっても、こうした身の回りのことをする上で、支障のない方もいます。また一方で、介護を必要としないが、身体に障害を持っている高齢者の方もいます。

 

こうした場合、受け入れる軽費老人ホーム側としては、予期できない様々なアクシデントが予想されることから、受け入れに消極的になる施設が多いのが実情です。

 

これはサービスが悪いとかそういう問題ではなく、階段があって身体障害者には危険であったり、扉の開閉音が大きくて認知症の高齢者の夜間徘徊が問題になるなど、施設自体の設備上やむを得ないケースがあります。こうした問題は既存の施設では構造的に対応が難しかったり、予算的に不可能だったりします。

 

今後はこうした事例を元に、より需要に見合った施設づくりが求められることでしょう。

関連ページ

軽費老人ホーム開設内容の変遷について
開設当初、軽費老人ホームは大きくA型とB型に分けられ、それぞれA型は給食の支給があり、B型は自炊することになっていて、利用料金に若干の違いがありました。
「探す」をなくす、軽費老人ホームの認知度アップ案
軽費老人ホームはその利用料金の安さと公共性の高さから、こうした高齢者をバックアップする存在であるべきですが、実態としては、対象となる高齢者本人にその存在を知られていないケースもあります
目的による区分を超えた軽費老人ホームのあり方について
今後は多種多様になりつつある高齢者のあり方を行政側が認識し、細分化した趣味嗜好を目的別に整理し、見えるようにすることで、趣味を同じくする高齢者同士が出会うきっかけをつくるといった取り組みも必要なのではないでしょうか?
身体状況別に考える軽費老人ホームの変遷と比較
身体状況に問題がない高齢者も、将来を見据えて、長く居住できる施設として、比較的若い中期高齢者を中心に、積極的に入所するという傾向があります。
軽費老人ホームと生保受給者の関係と今後のあり方について
今、こうした軽費老人ホームで近年問題になっているのが、これらの生保受給高齢者の後期高齢化です。入所当初は元気だった高齢者の方々も、年を経るにつれ、老化が進み、様々な面での介護が必要になってきます。
軽費老人ホームのデメリットとその背景について
軽費老人ホームのデメリットとしてあげられているのが、不安や不満の解消に施設のサービスが追いついていないという現状です。それまでいろいろな環境で暮らしてきた高齢者の方々を、画一的な生活サイクルに当てはめる行為は、必然的に各個人に大きなストレスを与えます。
軽費老人ホーム選びにおける「認可」の捉え方
軽費老人ホームを選ぶ際に気を付けなければならないことのひとつとして、認可要件の継続的維持の確認があります。
軽費老人ホームの特徴と内容について
軽費老人ホームの特徴として、第一に利用料金の安さ、第二に入居条件の存在があります。
軽費老人ホームの種類の増加にみる高齢化社会の変遷
軽費老人ホームの種類は、当初大きく分けてA型とB型の2種類に分かれていました。新しい経費老人ホームの種類のひとつとして、「ケアハウス」という形式も現れています。
軽費老人ホームB型を取り巻く環境と、入居までのあれこれ
軽費老人ホームB型は入居にあたっては、介護が必要なく身の回りのことが自分でできることが条件となっていることもあり、一見すると老人ホームには見えない施設が多いです。
運営補助もあり負担の少ない軽費老人ホームB型
非常に低価格もしくは無料で高齢者に住環境を提供する施設として、軽費老人ホームB型の存在があります。
軽費老人ホーム・ケアハウスとは?
軽費老人ホーム・ケアハウスは日常生活に必要な便宜を供与する老人福祉施設ですが、日常生活で介護が必要となった場合には退去しなければならないといってましたが、現実は入居者が年を取るとともに、介護が必要になる方が増えている。
山口県岩国市の軽費老人ホーム錦寿苑は楽しく自由な軽費老人ホーム
山口県岩国市の軽費老人ホーム錦寿苑は、入居には介護度や歩行状態、認知症の程度を判断基準とはせず、「何らかの方法をもって食堂へ出ること」となっています。
要介護者が半数の京都の軽費老人ホーム亀岡友愛園「おしゃれしま専科」
京都にあり軽費老人ホーム亀岡友愛園は、特別養護老人ホームも併設されて要介護者となってもそちらでお世話になることも考えられますが、現在は軽費老人ホームの入居者の半数が要介護者になっています。