介護付き有料老人ホームの設置認可の変遷について

介護付き有料老人ホームの設置認可の変遷について

2006年4月に実施された介護付き有料老人ホームの規制緩和により、ここ数年新たに設置認可を受けた施設が増加しています。それまでは常時介護が必要な高齢者を10名以上有することが申請条件の1つでしたが、これが大幅に緩和され、1名以上でも可となったためです。

 

もともと介護付き有料老人ホームの設置認可を受けるには、建物や設備の準備状況、運営内容、職員のスキル、給与体系や管理規則、その他非常時の避難方法についてなど、実に50点前後の設置認可確認用書類が必要とされます。

 

中でも、職員や入所する高齢者の人数についての内容は、どうしても流動的なものになり、申請側としては非常にアタマの痛い要件でした。現実問題として、申請当初に10名という申請条件を満たし、設置認可を受けた介護付き有料老人ホームであっても、運営の結果、定員割れを起こしたり、施設や環境の変化に伴い、移転や統廃合により、再申請が必要となるケースもあります。そういう施設にとってこの法改正は非常に意義深いものであると言えます。

 

しかし、このように現状施設の救済案としての側面も持つ一方で、利益追求型の高所得者層用の業者の参入も容易になってしまいました。10名という規制が緩和され、1名からの設立が容認された結果、施設をコンパクトにして費用を抑え、その分を高級感のある設備や質の高いサービスの提供に回すことにより、少人数の高所得者をターゲットにする業態が増加傾向にあります。見た目の高級感以上に収益を得ることができ、経費も小さく抑えられることから、利益率の高い事業となるわけです。

 

今後はこうした分化が進み、新たな問題が生じることが懸念されています。

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